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Heart of glass

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「・・・マジか?」
「嘘ついてどないすんねん。っちゅーか、もうクラスの連中楓の回廊通っとるやんか」
 先ほど見つけた団体を見ながら、硝があわてた声を出す。あの団体はどうやら自分のクラスだったらしい。
 二人は教室を走り出た。早歩きでは間に合わないかもしれないためだ。
 走りながら、彼は硝に楓の回廊につながる出口を尋ねた。オリエンテーションを聞いていなかった彼は、楓の回廊までの道のりが解らないのである。硝はしょうがないというような顔で彼を見て、それから場所を教える。
「高等部校舎の二号棟の出口や」
「っていうか、近道とかないのかよ」
 彼の切なる願いに、硝は驚いた。それから、くすりと笑って答える。
「近道なんてないわな」
 階段で三階までおり、そこから二号棟に繋がる野外通路を駆けぬける。緑色のプラスチックすのこが、足音にあわせてがたがたと鳴った。小柄な彼は器用にくるりと方向転換し、一番近くの階段を一段飛ばしで下っていく。大柄な硝は一時的に置いていかれたが、その長い脚を利用して、階段の一番上から飛びおりた。着地の衝撃はあったようだが、堪えてなんとか走り続ける。そのまま置いていかれるのを防ぐため、彼に話しかけた。
作品名:Heart of glass 作家名:神田 諷