小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

Heart of glass

INDEX|38ページ/75ページ|

次のページ前のページ
 

 昼食の時間。貴志惟の食事の量は相変わらずものすごい量で、持ってきた弁当を取り出した硝は、また感嘆の声を上げた。
「相も変わらず、おかしいやろ、その量」
「どこがおかしいんだよ」
「その身長体重で、その量食うのがおかしいやんか!」
「体重はともかく身長はほっとけ!」
「んじゃ、何でそんなに食っとんのに、身長が全然伸びひんのや!」
 完全に禁句に触れた硝に、貴志惟は机を叩いて思わず立ち上がった。
「ほっとけっつったろ!遺伝だよ!父親も母親も妹も、みんなちっせぇんだよ!」
 いらだちのままに余計なことまで言ってしまった貴志惟は、すぐにしまったという顔で固まる。幸いクラス中からの視線はあったものの、自分たちの話に夢中で会話内容までは聞かれなかったようだった。貴志惟が席に着くと、ほんの数分で元の状態に戻る。が、怒鳴られた対象である硝の耳には、きれいに入ってしまっていた。しかも食いついてくるほど、興味をそそられる情報だったらしく、彼が席につくなり身を乗り出してきた。
「え?浅井、妹おるん?似とる?似とる?」
「チビんころは似てたらしいけどな」
 ジャムパンを片手にいやいや答える貴志惟をよそに、硝は一人で舞い上がる。
作品名:Heart of glass 作家名:神田 諷