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Heart of glass

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「浅井・・・、パンを何個持って来とんねん」
「は?ああ、十五個くらいはあると思うけど・・・」
 予想を二個も上回った。もともと仰天としていた硝は、予想外の数に思わず身を乗り出した。それにあわせて貴志惟も動く。
「なんのためやねん!」
「なんのためって・・・、腹減るだろうが」
「減らんわっ!」
 基準は不明だが、その否定は間違いではない。しかし硝の否定を理解できない貴志惟は、いぶかしげな顔のまま手前にあったカレーパンを取り出した。
「いいだろうが。今は十個、放課後に五個食うんだから」
「意味解らん。昼食食べたら、もう終わりなんやで?」
 先述したとおり、今日のスケジュールは昼食後即帰宅である。
「だから放課後だろ?」
「なら今食えや。なんも変わらんやろ」
「俺の習慣なんだよ、うっせぇな」
 そういうと、貴志惟はカレーパンにかじりつく。それに合わせて硝も弁当に手をつける。
半分くらい弁当を食べた頃、ストローが刺さっていただけのバナナ・オ・レに、硝が初めて口を付けた。三つ目のホットドック風のおかずパンを食べていた貴志惟は、興味津々でその様子を見る。平然としていた硝の顔が、どんどんゆがんでいった。やはり組み合わせが合っておらず、まずかったようだ。予測を的中させ、哀れみの目で見てくる貴志惟に、硝は微妙な顔をした。
作品名:Heart of glass 作家名:神田 諷