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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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Ambassador of chaos K  かなしき記憶

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部屋に着くと、どこからか怒声が聞こえてきた――

「だから、私たちにそのパソコンを渡してください木村さん!」
「誰がこのパソコンを渡すか! 第一、本当にそのKとやらが来るとは決まってないだろうが!」
「ですが、Kが来るかもしれない確率だってあるんですよ!」
「木村さん、そのパソコンとご自分の命どっちがいいですか? 選ばせてあげましょう」
「ちょっと齊藤さん、拳銃で脅すのはなしですよ!」
「なんなんですか、あんたらは……」

怒声の原因は、木村と警察の人と齊藤とかいう男とのやりとりだった。

「とにかく、このパソコンは俺が所持するお前らに一本の指も触らせない」

バタンッガチャッと音をたてて木村の客室であろうドアが閉められた。

「あーあー、引きこもられちゃいましたよ」
「出てきたときにまた再度お願いしましょう」
「えっと、あの……警察の方ですか?」
「あ、すみません……うるさかったですか?」
「いえいえ、少しばかりか気になりましたので」
「Kってご存知ですか?」
「ええ、あのハッカーの……」
「そいつがさっき木村と言っていた人のパソコンの中身を盗るっていう情報を入手しましてね」
「それでパソコンを保護しようとしたんですが……」
「この様ですよ、仕事しようとしてるこっちの身にもなれってんだよ」
「齊藤さん、それ言いすぎです」
「えっと、見た感じあなたは警察の方から来た感じがするんですが……その齊藤さんでしたっけ? あなた、警察の方からの人ですか?」
「素晴らしい観察力ですね、そうです私は齊藤 祐樹といいまして、探偵をしています」
「『真実の光』……か」
「よくご存じで、そうです……別名を『真実の光』といいます」
「で、その齊藤さんについているあなたは?」
「あ、申し遅れました、僕はE県警察署巡査の熊谷 順二といいます」
「今回の情報は、嘘の確率があるかもしれないので巡査一人と探偵の私で捜査してるんですよ」
「なるほどね、あ……俺、鈴木 誠一といいます、こっちは、木島 京介って言って俺の友達です」
「どうも、まぁとりあえず俺達には関係ない事件みたいだな」
「フフフ……さぁ? それはどうだかわかりませんよ、あなたがそのKだったりしたらね」
「ククク……疑われないことを願ってますよ」

Kと齊藤が少しの間目線を合わせたあと、Kは客室のドアを開けて中に入っていって、Sもそれに続いた。

「京介、やばいよ……『真実の光』って、一回も犯罪者を逃がしたことがないんだよ!?」
「知ってる、それくらいのことはな」
「だったらなんで警察呼んだんだよ!? 俺には、正解だったとは見えないぜ!?」
「まぁ『真実の光』が来るとは思ってなかったが、俺の思った通りにはなってたな」
「どういうことさ?」
「木村が動きづらくなってたろ?」
「あ……」
「一年以上も俺の助手で働いていて、どうしてそこまで思考がいかないのか不思議だ……」
「あーはいはい、どうせ俺は頭が固いですよー」
「すぐに拗ねるな……それにな誠一」
「なんだよ?」
「『真実の光』のおかげでスリルが味わえる」
「俺は、ハラハラなんだけど……」
「見てろ、混沌と光どっちが勝つかをな」

そのKの笑みは、まさしく『混沌の使者』を表すかのような黒い笑みだった。