MagicMushRoom
脳が乗っ取られたおれは、完全におれではなくて、でも身体と、意識だけは共有していた。
考え方も全く違うので、まさに二重人格の状態。まことは完全に寝てしまって、新しいおれが今生まれたのだ。
いや、凄すぎる!!!
生まれることが出来たことに感動して、泣いてしまったおれは、まだ笑いが止まらなくって、ずっと大笑いしっぱなしだった。
こんなに感動的なことがあるのか。
なんて素晴らしい瞬間なんだ。
目を瞑ると、さっき見た光が高速で動き回っていて、弾けてる。
目を開けると、壁がぐねーーーーーって、移動しているけど、なるほどこうやって移動しているのがおれが見てる世界では普通の状態なんだ。
壁と世界の動きに合わせて体を動かす。
今まで聞いたことが無い音楽のイメージが、自分の身体から溢れてくる。
音に乗って体を動かすと最っっっっっっっっ高に楽しくて、大声で叫んでしまう。
今まで踊ったことなんてなくて、けど身体が踊りというものを知っていて、勝手に踊っている。
これは紛れもなく、前世の記憶。
前回おれは、別のおれで、でもおれで、こうやって踊ったことがある。何回も。
だからこうやって覚えていて、思い出した。
まことはこうやって悩んで疲れて寝てしまったけど、今日の選択は人生で一番のラッキーだった。
まことは他人だけど、けど自分なこともわかってるから、ものすごく世話を焼いてアドバイスをしてやりたい感じになった。
いやあ、今回本当に住み難いところに生まれてきたなぁーなんて勝手に頭で言いながら、この世で味わえる快感とは思えない程の快感を味わってる。
この時間、おれは何でも出来るような気がしたし、実際に何でも出来る。
だから、どうやって生きてけば良いか瞬間的に人生相談してやるぜひゃっほーーー!!!!
現実逃避じゃいけない。この辛い世の中をいかに生きていくかを考える為にドラッグをするのだ。
ネットでの書き込みで見た言葉が蘇ったけど、
「ああ、そういうことやったんかぁ。」と全部理解して、また感動で涙が出てきた。
作品名:MagicMushRoom 作家名:makoto