合コン
「藤沢さん!僕からもお礼を云わせてもらいます。田野倉さんの相手をお願いします。気になっていたんですよ、幹事として……」
内藤が立っていた。彼は友香にアタックして撃沈していた。田野倉は友香に注目していたので、そこはしっかり目撃していた。
「内藤さん!そうだったんですか。気にしてくれていたんですか!ありがとう!でも、邪魔だからもう、来なくていいよ」
「そうですね。お邪魔しました」
内藤はうろたえている。
「本当ね。邪魔しに来たのね。田野倉さん。内藤さんはあんなこと云って、わたしたちが親しくなるのが気に食わないのよね!そうでしょう」
田野倉は溜飲が下がる思いで内藤の顔を見ている。
友香はワインを随分飲んだらしい。内藤はこれは参ったという表情になり、店の外へ出て行った。煙草を吸うためだと、田野倉は思った。
「続きを云いますよ。僕はね、母以外の女性と話をするのは、初めてなんです。ぜひ、友香さんと親しくなりたいと思っています」
「ああー。本当は、プレイボーイなんでしょう。彼女、居るんでしょう」
「居るわけないですよ。僕がプレイボーイだなんて、名誉棄損で訴えますよ!」