合コン
「でもね、噂を聞きました。真っ赤なスポーツカーでナンパしてるって!」
友香はずば抜けて可愛い娘だと思う気持ちが、田野倉の心の中で増大していた。
「まだです。まだやってません」
先程から田野倉は、珍しく笑顔になっている。
「本当ですか?助手席に乗せた女の子は何人ですか?」
「ゼロです。友香さんだけを乗せるために買った車ですからね」
田野倉はよくもそんなことが云えたものだと、自らに感心している。
「調子がいいこと云ってますね。じゃあ、明日の日曜日、乗せてくれるんですか?もしも駄目だと云ったら、やっぱり田野倉さんはプレイボーイだと思います」
「何時だったらいいんですか?迎えに行きますよ」
「お昼だと云ったら、午前中はほかの子を乗せて走ってるかも知れない」
友香は真剣なまなざしを、田野倉に向けている。
「じゃあ、朝、迎えに行きますよ。朝の八時に行きます」
「朝の八時に、町田の駅に来てくれますか?」