合コン
「いいですよ。そんなこと、忘れてください」
「じゃあ、気分を変えて、レッツゴー!」
「そうしましょう。レッツゴー!」
田野倉は助手席のドアを開け、
「どうぞ、お嬢様!」
と、笑顔で云った。云いながら、彼は自分が生まれ変わったような気分になっていた。
晴天の日曜日の朝というと、今までは孤独のせいで、暗い気持ちだった。ところが、今日は最高に明るい気分だ。
自分は女性と縁がないと、なぜか思い込んでしまっていた。なぜだったのか、すぐには思い出せない。思い出したくもない。彼は後部トランクから、冷えたウコンのドリンクを出して友香に外から渡した。
「これで二日酔いを追放してください!」
「ありがとうございます。あっ、凄く冷えてる!これが効くんですか?」
「らしいです。じゃあ、行きますよ」
田野倉は運転席に入った。すぐ傍に可愛い女性が居る。ついに夢のひとつが叶ったのである。