Over the rainbow
左側へ行くほど、その幅は微妙に広く、速度も増す。最も左側、最内の高速レーンの幅は二メートルある。片側全レーンの幅が合計四十メートル、上下線合わせて八十メートルの走る歩道。利用料金は無料である。
のんびり移動したいなら右側、つまり外側にいれば良い。急いでいる人は最内へ、左方向へ歩いて行く。そこには三百メートル毎に警察官が配備されていた。
手荷物の大きさに制限が設けられている。一辺が最大六十センチ以内。それ以上の大荷物を運びたい人は、運送屋か郵便局などに頼むしかない。
自分の足で歩いて移動したい人は、最も外側、右端の固定歩道を利用すれば良い。この前の逮捕劇以来、固定歩道も、自転車で走行することが禁止された。自転車はサイクリングロード限定の乗り物と規定されたわけである。
レインボーロードはどの走行レーンも順方向に歩くことは自由だが、逆向き歩行や走ることは禁止されている。但し時速十キロ前後なら、右端、白い固定レーンのみ、ジョギングなどが許されていた。
走る歩道には座っても良いし寝ていても良い。但し椅子や布団の持ち込みは禁止されていた。
作品名:Over the rainbow 作家名:マナーモード