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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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【推奨BGM】・・・『ジョニーが凱旋するとき』



 原発事故の前は賑わっていた無人の市街地の道路を、20台ぐらいのランドクルーザーが一列になって進んでいた。夜道を進んでいると、銃声が少し離れたところから聞こえてきていた。守山たちの車は、前から4番目だった。

   ドドドドドッ!!!

 そのとき、先頭のランドクルーザーの無人機関銃が、数発だけ発砲した。しかし、敵に向けて撃ったわけではなく、テスト射撃だった。それに続く形で、前から順番にテスト射撃をした。彼らによる「テスト射撃」の的となったのは、「原子力 明るい未来のエネルギー」と書かれた看板や道路沿いの建物だった……。看板は穴だらけで、建物は蜂の巣になっていた……。

 ゴーストタウンと化した市街地を抜けると、広い更地に出た。更地のあちこちに、大日本帝国連邦から持ち込んだ巨大なブルドーザーが止まっており、そのブルドーザーの前には、土砂や木やガレキの山ができていた。更地に木も建物も無く、ただ赤土の大地が広がっていた。
『機関銃ロボットだけでは持ちこたえられない模様。急行する』
この通信の直後、先頭車両が急加速した。激しい土煙が舞う。
「やれやれ、防衛線を広げすぎなのよね」
守山は独り言を呟くと、前の車両に続いて急加速した。


 ようやく、目的地に着いた守山たちは、車両を横一列にして停止した。前方から流れ弾がヒュンヒュン飛んできて、ときどき車体に当たった。ただ、この車は完全防弾式なので、守山は恐れることもなく、前方の様子を伺っていた。

   ドドドドドッ!!! ドドドドドッ!!!

 前方に、ロボット式の無人機関銃があり、向こうからやって来る『日本戦線』(反CROSSの武装勢力)の兵士を撃退していた。守山たちの任務は、この無人機関銃が撃退できなかった敵兵を片付けることだった。
 敵兵たちは、『89式自動小銃』などの銃を撃ちながら突撃してきていた。無人機関銃は、「万歳!!!」などと叫びながら突撃してくる敵兵たちを淡々と事務的に撃ち殺していた。そして、無人機関銃の前には、敵兵の死体がゴロゴロと転がっており、流れた血が赤土をさらに赤くしていた……。そんな死体の中に、死にぞこないの瀕死の敵兵がおり、無人機関銃は手が空いたときを見計らって、それに止めをさしていた……。
「いつ見てもかわいそうッスね!!!」
車の機関銃担当の兵士が、ヘラヘラ笑いながら言った……。

   ドォーーーン!!!

 そのとき、無人機関銃のすぐ目の前で、手榴弾が爆発した……。手榴弾の破片がいくつか車に当たった。どうやら、瀕死の敵兵が自爆したらしい。そして、最悪なことに、無人機関銃が故障してしまったようだ……。