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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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第3章 彼女の任務



 守山は、核兵器工場警備の任務をこなした。ただ、30キロ圏内に侵入者が来ないかを見張っているだけなので、楽な任務だとすれば、その通りだ。
 しかし、中京都軍に入隊してから、刺激的な毎日を送っていた彼女としては、退屈でつまらない日々だった。近くに、ショッピングセンターやシネマコンプレックスは無く、小さなPX(売店)や娯楽室で、退屈さを少しだけでも紛らわせていた。
「……ターン終了!」
 よくわからないカードゲームを、近くにいるオタク系の兵士たちが楽しんでいた。彼女は、紙切れを使う遊びには興味は無く、誰かが持ち込んできたPS3で『スカイリム』を楽しんでいた。そのゲームの主人公の目の前には、ドラゴンがいた。

   ウーーー!!!

 そのとき、サイレンが鳴り始め、赤色回転灯が光った。
『30キロ圏内に、テロリストが侵入。警備隊は、ただちに出動し、撃退せよ』
女性のコンピューター音声が、淡々と守山たちに出動命令を下した。やれやれといった感じで、兵士たちは娯楽室から出ていった。
「ハイハイ、行きますよ」
守山はめんどくさそうに呟くと、ドラゴンとの戦闘中だったが、セーブしてやめた。
 そして、彼女も娯楽室を出て、戦闘準備をしに向かった。もちろん、彼女たちが戦う相手は、ドラゴンではなく、CROSSへの反乱勢力の人間だ。


 守山は、放射能防護服に着替えると、武器庫で自動小銃を受け取った。それは、中京都軍制式の自動小銃である『ルーマニアンAK74』だった。ハンドガード部分にフォアグリップがあるのが特徴のAK74だ。そして、守山はガレージへと向かった。
 ガレージには、トヨタの『ランドクルーザー』などの中京都軍の軍用車両がたくさんあり、整備兵がエンジンをオンにさせていた。ガレージのシャッターは開いており、サーチライトがあちこちを照らしていた。
「守山少尉、今回は運転をよろしくお願いしま−す!!!」
一台のランドクルーザーの前に兵士がおり、チャラそうな彼は守山にそう言うと、後部座席に乗りこんだ。
「ハイハイ、撃ち漏らさないでよ!」
守山はそう返事すると、運転席に乗りこんだ。

 中京都軍が運用しているトヨタの青い『ランドクルーザー』は、民間用の『ランドクルーザー』を軍用に改造させたものだ。完全防弾車で、屋根には無人機関銃が据え付けられていた。また、バリケードを突破したり、敵を跳ね殺すため、バンパーが強化されていた。
 個人的にさらに改造が施されているものもあり、派手なノーズアートや、「八事行き」などというメッセージや、何人跳ね殺したかのシールなどが、彩りを加えていた……。守山たちのランドクルーザーの場合は、バンパー部分に「害虫駆除業者」というペイントと、何人跳ね殺したかのシールが人数分貼ってあった……。

 そして、守山たちの車は、他の車の後に続いて、ガレージから出発した。車列の真ん中あたりだ。