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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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 それは監視カメラの映像で、建物の内部を映し出していた。すぐ近くにある工場の内部だった。たくさんの作業員や警備に立つ兵士の近くの近くには、放射線マークが印された核ミサイルや砲弾があった……。天井にはクレーンがあり、そのクレーンは、隣りの原子炉建屋から運ばれてきた核燃料を吊り下げていた。その核燃料は、上部が開いた核ミサイルの上に運ばれていった。
「ちょうど核燃料が入れられるところだ」
武村はそう言った。守山はじっと映像を見ていた。クレーンに吊り下げられた核燃料は、核ミサイルの中に入れられていった。
 この工場は核兵器工場なのだ。もう使われることはない原子炉やプールから取り出した核燃料を、核兵器として使用するのだ。
「ここで造られた核兵器は、我々CROSSに渡されたり、同盟世界に売られる。そして、その利益は、名目上は原発被災者の支援に当てられ、余った分は我々CROSSが頂く」
「……実際は、電気料金の値上げ分で足りていますよね?」
「……まあな。関東地方の電気料金値上げの影響で、工場などの移転が起きて、主に中部地方が得をした。それで、テロリストやその協力者を苦しめてやることができた。山口少佐は本当によく考える。あの人が味方で良かったよ!」
武村は誇らしげそう言った。
「…………」
守山は工場内部の映像を見ながら、自分はまだ山口に味方だと思われているのだろうかと考えていた……。