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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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 指揮官室には男がおり、机でノートパソコンを操作していた。CROSSのバッジを付けていることから、彼がCROSSから派遣された指揮官だとわかった。メガネをかけた20代前半の日本人の男だった。戦闘服ではなくワイシャツ姿だった。まるで軍人ではなく、会社の係長クラスのようだ。
「君はもういいよ。御苦労さん」
指揮官は、守山と兵士を一瞥した後、そう言った。
「はっ!」
兵士はそう言うと、部屋から出ていく。
 兵士が出ていくと、指揮官はノートパソコンを閉じ、守山を見た。
「君が守山さんだね? こっちへ」
「はい」
守山は指揮官の机の前に立つ。指揮官は財布からCROSSの身分証を見せた。ホログラムにより、身分証から頭部のホログラムが浮かび上がった。
「私は、CROSSの武村一等軍曹。このプロジェクト『磐城』の担当者だ」
武村という指揮官はそう言うと、身分証をしまう。
 守山も財布から身分証を取り出した。こちらは普通の物だ。
「中京都軍の守山少尉です。『311』以来、こちらのほうに来るのは初めてですので、よろしくお願いします」
武村がうなずくと、守山は身分証をしまった。
「君はこのあいだの不祥事のせいで、こんなところに来たんだろ?」
武村が挑発する口調で言う……。守山はムッとした。
「武村さんも何か問題を起こして、ここにいるんじゃないですか?」
守山がそう言い返すと、武村はプッと噴き出す。
「馬鹿なことを言うなよ。ぼくはジャンケンで負けただけだよ」
「…………」
守山は黙りこんだ。
「ところで、君はこのプロジェクトのことについてちゃんと知っているか?」
武村は気を取り直すと尋ねる。
「だいたいは」
守山は素っ気無くそう答えた。
「じゃあ、詳しいところまでちゃんと説明することにしよう。読者への説明も兼ねてね。まあ、俺の説明なんか聞かなくても、最後の用語解説の項目を読んだほうが早いと思うけど」
武村はメタなことを言った……。
「……はあ」
「それじゃあ、説明するぞ。まずはこれを見てくれ」
武村はそう言うと、ノートパソコンとテレビを操作して、映像をテレビ画面に映し出す。