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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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「バリケードを作れ!!!」

 すると、ブリッジの反対側から、声と作業音が響いてきた。守山が振り返ってみると、通路の奥にバリケードが築かれ始めていた。守山をなんとか食い止めようというわけだ。
 守山が上のハッチへのハシゴの近くまで来たとき、バリケードが完成したらしく、バリケードのすき間から、銃口がいくつか顔を見せた。
「くらえ!!!」
それらの銃口から銃弾が発射された。狭い潜水艦の通路を銃弾が高速で進む。
 しかし、既に危険を察知していた守山は、ハシゴを駆けのぼり、ギリギリで銃弾を避けられた……。
「……危ないわね!!!」
ハッチまで上がった彼女は、次々に銃弾が通り過ぎていくのを見下ろして見ていた。
「別に沈めちゃってもいいわよね♪」
彼女は楽しそうにそう言うと、建屋の敵兵が持ってきていたC4爆弾を、潜水艦の艦体のあちこちに設置した……。
 そして、ゴムボートに乗りこみ、潜水艦から離れていき、
「さあ、靖国へレッツゴー♪」
彼女は躊躇うことなく、起爆リモコンのスイッチを押した……。

   ドカカカーーーーーーン!!!!!!

 潜水艦の艦体のあちこちで大爆発が起きた……。潜水艦の重厚な外壁も耐えきれなかったようで、あちこちに穴ができ、そこに海水が一気に流れこんでいた……。海水の流れこみにより、ゴムボートが潜水艦へ少し引き寄せられたぐらいだ。
 潜水艦はブクブクと沈んでいき、守山はスマホで記念撮影をしていた……。ときおり、なんとか脱出してきた敵兵が浮かんできており、救助してやろうなんて全く思わない守山は、そいつらに銃弾を浴びせて、魚のエサにしていた……。

 潜水艦が沈んでいくのと「的当て」に飽きた守山は、ゴムボートを核兵器工場の埠頭へと進めた……。



 核兵器工場の埠頭に着いて見ると、武村や同僚の兵士たちがおり、沈んでいく潜水艦を眺めていた。彼らは、ゴムボートでやって来た守山にビックリしていた。
「潜水艦を撃沈してきました♪」
彼女が笑顔で、武村にそう報告すると、
「そ……そうか」
彼は、他に返す言葉が無い様子だった……。同僚の兵士たちは、恐ろしげな様子で守山を見ていた……。
「陸からの敵はどうしたのよ?」
彼女は、車で機関銃担当だった兵士に尋ねた。彼はビクリとした……。
「……あ…ああ、30キロ圏内から出ていったらしいですよ……」
ぎこちない敬語とともに彼はそう言った……。
「ふ〜ん、これから皆殺しにしてやろうと思っていたのにな♪ まあ、いいや。私、もう帰って寝る!」
彼女は、元気よくそう言うと、基地のオフィスビルへと歩いていった。

 そんな守山の後ろ姿を、武村や同僚たちは、怖がりながら見送った……。