司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』
第4章 守山からのプレゼント
「寒いな」
潜水艦の開け放たれたハッチの近くで、一人の日本戦線の兵士が寒そうに突っ立っていた。彼は、守山が殺した三人が、爆破任務を終えて戻って来るのを待っていたのだった。
その潜水艦は、おやしお級潜水艦の『ひきしお』という潜水艦で、『海上自衛隊』という文字が、うっすらと艦体に残っていた。
ブオオオ!!!
一隻のゴムボートが、潜水艦に向かって、暗い海を進んで来る。兵士は首をかしげた。なぜなら、C4爆弾による爆発が無く、ゴムボートに乗っていたのは一人だけだったからだ……。彼は、任務に失敗したと思い、潜水艦に横付けしたゴムボートに急いで向かった。
「おい!!! 失敗したのか?」
タタターーーン!!!
その返事したのは、『89式自動小銃』ではなく『ルーマニアンAK74』だった……。返事を聞いた兵士はすぐに倒れた……。
ばしゃん!!
その兵士を殺した人物は、ヘルメットを海に捨てた……。言うまでもなく、その人物は、守山だった……。
彼女は素早く、ハッチに駆け寄ると、艦内へと飛び降りた。
「!?」
艦内に入ると、先ほどの銃声を聞きつけて来た敵兵が二人いたのだが、守山の突然の訪問に唖然としていた……。
タタタタタターーーン!!!
彼女は、容赦なく敵兵二人を射殺した。AKの空薬莢が、狭い艦内を転がっていく。
「何事だ!!!」
ブリッジのほうから怒声が聞こえてきて、ブリッジへのドアが開いた。一人の敵将校がピストルを構えていた。
もちろん、彼女は、すぐにその敵将校を撃ち殺した。そして、ポケットから何かを取り出しながら、ブリッジへ全力疾走した。
「害虫さんたちへのプレゼントよ♪」
守山は、敵将校の死体の口にウラングレネードを突っこみ、その死体をそのままブリッジの中に押し込んだ……。そして、守山はすぐにドアを閉め、ほんの少ししてから……、
ドカーーーン!!!
ドアの向こうのブリッジで、ウラングレネードが爆発した……。爆風と振動で、ドアが大きく揺れた。
「うわ、グロ過ぎ!!! 閲覧注意ってやつね♪」
彼女は、爆発で地獄絵図となっているブリッジを見てから、笑いながら言った……。
作品名:司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』 作家名:やまさん