小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2

INDEX|6ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 

次の目的地はアイス・フィールド・センター、そこでは氷河観光をする予定だ。

美月は計画を立てる時に、
「雪上車に乗るツアーにする?」
と聞いてきたので、
「何でも経験やから乗るよ」
と答えた。

その時は、雪上車って一人乗りの雪ぞりのようなもので、氷河の上をそれに乗って下るのかと思っていた(笑)
無知とは怖いものである。
雪上車のことは後で書くこととして、そのアイスフィールドセンターに行くまで、私は右側の岩肌をずっと見つめていた。しかし、動物は見つけられなかった。


川の向こうにそびえる山々の上に厚く雪を積んだ山が見えてきた。
「あそこに雪を積んだ山が見えるでしょう?氷河といわれるのがあれなのですよ、あの形は何に見えますか?」
とドライバーの山本さんが私たちに尋ねた。

「う〜ん、白鳥かな?」
山の頂に翼を広げ、首を前に垂らして下に向かって飛んでいるような形に見えたから。
「惜しい!!あれはエンジェル氷河。天使が羽を広げたように見えるから名づけられたようですよ」
今、写真を見ても「白鳥」という方が近いような感じがするのだけど…。

眼で見える氷河の厚さは50メートルはあるということだ。それが、絶壁のようになり、今にも滑り落ちそうになっている。
氷河は雪ではなく圧縮された氷の塊だが、1センチの氷河の氷が出来るのに12メートルの積雪が必要なんだそうだ。
『う〜ん、1センチが12メートル。1メートルが1200メートル。じゃ、50メートルは……、6万メートル……、え〜60キロ!!!!』

融けずに積み上げて行くと60キロにもなるんや!それが、少し融けてはまた積み重なり…、氷河期にはどれだけ厚かったのか…想像できない。

この氷河には、直ぐ下の氷河湖まで続くトレッキングコースがあると最近になってわかった。次に訪れるときはぜひこの氷河湖まで足を延ばしたいものだ。

カメラのレンズをズームにしてみると、「白鳥」の嘴の先から融け出した氷河の水が落ちている様は数本の滝のようにも見える。
氷河湖には、まだ氷のままの形で夏でも融けずに湖に浮かんでいるそうだ。

50メートルもの厚さで今も残るエンジェル氷河。
このロッキーの頂上から。地球の変化を静かに見てきているのでしょう。
また 、今回のような原子力発電所の事故処理に慌てふためく様子や、悪魔の力に変えてしまった愚かな人間の行為を上から冷ややかに眺めてきているのかもしれない。