カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2
さて、車はアイス・フィールド・パークウエイに戻り、南へ南へと下る。
地図上では南へ下るが、高度はどんどん高くなり、コロンビア大氷原を目差すことになる。
高速道路のすぐそばには、さっき行ったアサバスカ滝に流れ込むアサバスカ川が、ゆったりと水量豊かに流れ、その向こう岸には、綺麗に揃った針葉樹林が、またその樹林の向こうには岩肌をむき出した高い山々が連なる。
山のところどころには雪が残っている。
左にも茶色い岩肌を見せた山々が続く。
ここは、ロッキー山脈の谷底を走っているのだ!
「山をよーく見ていてくださいね。動くものがいるかもしれません。動くものがいたら、きっと羊かヤギですからね。車を止めますから教えてくださいね」
という。時期にもよるらしいが、このアサバスカ滝から少し走ったところは、マウンテンゴートの群れが見られるポイントだという。
ミネラル分を補給するために、土を食べに道路ぎわまでやって来ることもあるらしい。
期待ワクワク!!
野生のリスを求めてカナダに来たのに、もう4日目にもなるというのにまだ一匹も見ていない。
それなのに、リスより大きな動物に出会えるなんて!!恋人に出会えるみたいなドキドキ感だ!!
それからはジーっと眼を凝らして岩肌を見つめていた。
が、一向に見つからない。
と、
「あっ!なにか走った!!」
と姉が叫んだ。
「なんやろ?いたちかな?それぐらいの大きさやった!」
と興奮している。
カナダにもいたちが居るんだろうか…?
ウサギ?リス?それとも…。
何かはわからないけれど、ハイウエイを横切ったのを姉は見たらしい。
野生動物に出会える!!いよいよ期待感が高まった。
どんな動物に出会えるんだろうか、期待に胸を膨らませ、再び窓の外を眺め続けた。
車は順調に走る。対向車も殆どなく、前後を走る車もあまり見えない静かなドライブだった。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2 作家名:ねむり姫