カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2
姉もあんまり気が進まないようだったが、レストランを探しに外に出た。
二人は普段から少食だった。大食いは私だけか…(^^;)
小さな町だから、少し歩くと賑やかな通りに入った。
町は花で綺麗に彩られていて、町並みも落ち着いていてカラフルだった。
しかし、ホントに小さい町なのに、ホテルが32軒もあり、しかも今は夏のシーズン真っ只中。街は観光客で溢れかえっている。
昨日のジャスパーも人でいっぱいだったけど、バンフはそれ以上だった。
バンフ・アベニューは日曜日に梅田の三番街を歩いてるような感じだ。
空いているレストランを探して歩いた…。
歩いた…歩きすぎて、カスケードガーデンまで来てしまった。ここはもう街の端っこだ。
この公園にはもっと早い時間だったら訪れてみたい公園でもあったし、もう少し先まで歩くと、あのボウ滝まで行けるのに…。
今日は時間がなさすぎた。
ジャスパーもバンフもただ泊まるだけではもったいない街だった。何泊もして四つの国立公園を全部回りたい気分だ。
バンフには温泉もあり、時間があれば入ろうよと、水着を用意してきていたのに。とてもそんな時間は取れそうになかった。
もっとゆっくりできたらなあ。
バンフ・アベニューをあちこち歩き回った。通りを右へ左へ、レストランを何軒覗いたことだろう。
もう、待つのは限界にきていたから、すぐに座れるところとなるとホントになかった。
「もう、疲れた!パンでいいやん」
「いやや、パンは胃がもたれるもん」
「でも、空いてるとこないやんか」
三人ともそろそろ限界。怪しい雰囲気になってきた。こんなことでケンカするのもイヤだし。最後、1軒だけ入ってダメやったら諦めるわということで、イタリアンのお店に入ったが、そこも30分ほど待たないとダメだった。
仕方なく、私は二人に付き合ってスーパーに行くことにした。ホテルに帰る途中にバンフで一番大きいスーパーマーケットがあると美月は地図を見ながら言った。
そこは食料品から日用品まで揃った大きなスーパーだった。
姉はサンドイッチと果物。
美月は果物ときゅうりとトマト!!(へっ!こんなんでお腹もつの!?)
「あの子はダイエットや言うて、いつも1食は炭水化物を食べないんよ」
と姉が言う。
「へえ〜、私には考えられへんわ」
私は、『やっぱりパンよりご飯粒が食べた〜い!!』
と、カリフォルニアロールのような、のりを使っていない巻き寿司を買った…。
そのスーパーは何でも置いてあったが、でも、なんか間に合わせに買うコンビに弁当みたいやなあ。旅行に来てまでこんなんいややなあ…と思ったが、三人の平和のために口に出すのは止めておいた。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2 作家名:ねむり姫