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カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2

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山本さんは代わりのホテルに送ってくれようとしたが、
「美月がもうすぐ来るといってるので、私たちは待っています」
と言ってお断りをした。

山本さんももう一組大阪のご夫婦を送っていかないといけないし、そんなに長くここに居ることもできないので、
「じゃ、これからもいい旅を続けてくださいね。何か聞きたいことや急に病気になったときはここに連絡してください」
と会社の電話がかかれた紙を渡してくれた。
最後まできちんとフォローしてくれた。
「ホントにお世話になりました。ありがとうございました」
名残惜しかったけれど、ここでさよならをした。


しばらくして美月がスーツケースを転がしながらやってきた。
そしてすぐにフロントと交渉した。
でも、やはりダメだった。
ホテルを移らなければならなかった。
歩いても20分ほどで行けたようだが、疲れきっていたので、タクシーを呼んでもらった。

日本に帰ってから、友人にこのことを話すと、旅なれた友人は、
「外国ではよくあることよ。でもね、そんなときでも必ずどこかを空けてあるはずやねんね。確かにこのホテルと契約しましたと書いたものがあると強いんだよ。ネットで予約してもそれをプリントアウトして持っていくんだよ」
と教えてくれた。今度からは絶対そうしよう、と強く思った。

代わりのホテルは、ロビーも小さくて、フロントには人がいず、ベルを鳴らしてもしばらくしないと出てきてくれなかった。
もうその対応でこのホテルはアウトだった。
みんなもだんだん不機嫌になっていった。
もうしゃ〜ないなと半ば諦めムードで、部屋の鍵をもらいエレベーターで2階の部屋に行った。
とにかく寛ぎたかった。

部屋に入ると、真ん中のテーブルに、大きな花かごの形をしたチョコレートとワインがドンと置いてあった。  
「これ、お詫びの印かな?」
私たちは当然でしょうと言いながらも喜んだ。
だって、あの最悪だったロストバケージはお詫びの品どころか『ごめんなさい』の一言もなかったのだから。
これがあるだけでもまだマシでしょう。
と言いながら、サンダルを脱いだ。
そして、トイレを探した。なにせバンフの展望台で寒いなと思った時からガマンしていたんだから。

ドアを開けて…。
「ン……?」
「お姉ちゃん、来て!これ何だと思う?」
そこには、???となるような光景があった。