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カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2

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バンフの町で有名なもう一つの山はカスケード山。ところどころに雪を残したその姿は美しかった。
このカスケード山を見ながら、トランス・カナダ・ハイウェイを走り、バンフの町へと入っていった。今日の宿はどんな宿かなと楽しみにしながら…。

このときは、とんだハプニングに出くわすとはこれっぽちも思わなかった。


ペイトー湖で美月と写真を撮ってから。レイクルイーズでも、バンフの展望台でも美月には会わなかった。
今頃どこを走っているのだろう?
今回、二つのツアーに分かれて観光することで、一番の不安は、バンフに着くのに、同じ時間に同じところに到着して、ちゃんと出会えるのかと言うことだった。
出会えなかったら、しかもホテルにも入れなかったらどうしようと思ったからだ。

不安に思っていると、山本さんが、
「今日のホテルはどこですか?」
とたずねてくれたので、慌てて予定表を見て、
「〇〇○…ホテルです。」
「ああ、わかりました。町の中心から少し離れてますね。それではKさんから先にホテルに送りましょう」
と私たちをホテルの玄関まで送ってくれた。

美月はまだ着かない。

荷物もホテルの中に入れてくれて、その後、私たちが英語を話せないことを知っているので、フロントとの話は全部山本さんがしてくれた。
話をしてもらっている間、ホテルの中を眺めた。
そのホテルはまだ新しく、ロビーも広い。
ロビーの左には大きな暖炉があって、赤々と炎がゆれていた。その横には鹿の剥製が飾られていた。ロッキーらしいな〜。
とても感じがよかった


でも、なんかおかしい…。なかなか鍵を渡してくれそうにない…。
なに話しているんだろう?


フロントと話し終えて、山本さんは、
「どうも、ホテル側のミスでオーバーブッキングしたようです。ここのホテルには空いた部屋がないので、△△IN と言うホテルに行って欲しいそうですよ」
「え〜〜!!」
私たちは疲れていた。ロッキーの自然を堪能し、遊び、感動しとても素晴らしい旅を続けてきたけれど、早くお部屋に入って靴を脱いで寝転びたかった。
山本さんは、
「向こうのほうが中心街に近いからお店も多くっていいんじゃないかな」
と言ってくれたが…。

私たちも納得できない。なんで、この旅行はこんなにケチがつくんだ!!
すぐに、美月の携帯に電話して、ことの顛末を話した。美月は怒った。手配は全部美月がしていたから怒るのは当然だろう。
いろいろ調べてこのホテルを選んだのは美月だ。きっと思い入れがあるのだろう。
「もうすぐ着くから、私が行くまで待ってて! 」
と言って、美月は電話を切った。