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カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアン・ロッキー(2

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いよいよ乗り込み開始。ワクワク。

不安に思っていた雪上車は…一人乗りの雪ぞりでは全くなかった^0^
ホッとした。不安はいっぺんに消え去り、期待が高まった!!

出発してすぐ、45度もあろうかという急斜面をこの雪上車は下って行った。しかも雪解けでぬかるんでいる急斜面をだ。
こんな悪路に神経を使いながら、一方ではマイクで私たちにガイドをしてくれる。
平らで少し広くなった氷原で停車するまで、ず〜〜〜とドライバーはしゃべり通しだった。
そして、それがまたとてつもなく元気のいいしゃべり方なのだ!!

畳み掛けるような英語で、すべて語尾を上げながらしゃべっている。私たちの期待感をさらに盛り上げているのだろうと思われるが、今までの例にもれず、英語の案内だったので、何を言ってるのかさっぱりわからない^^;
それが残念!

ドライバーの山本さんたちも一緒に乗り込んでくれていたが、
「日本語でガイドをしてしまうとほかのお客に迷惑だから黙っていますね」
とおっしゃた。
マナーのいいドライバーだ。それまでに車の中で大体説明していてくれていたことを雪上車のドライバーも言っていたと思う。

しかし、他の会社の日本語ツアーグループのガイドは雪上車の後ろの方で日本語で案内を続けていた。
ボソボソとしか聞こえないから、前に座っている私たちにはうるさいだけで、何を言ってるのか全くわからない。はっきり聞こえるよりも耳に付き、イライラしてきた。


耳で英語のガイドを聞きながら、目は窓の外の氷の上を眺めていた。

雪上車が通る道の傍では、雪解け水が流れていた。透き通った透明感いっぱいの水だ。
その水の下には、ゴツゴツとした石が見えた。雪と一緒に土や砂も流れてしまって石だけが残っているのだろう。
そのすぐ横の氷河の山の表面はうす黒くなって汚く見えた。
車の排気ガスで黒いのだろうか。…これも後でわかったのだが、滑り止めの薬を撒いていたので薄汚れたように見えるのだということだ。

しかし、その黒い氷の下には青く輝く氷が見える。白い氷ではなく青なのだ!!
だんだんと山が高くなり、降り立つ氷原が近づいてくると、クレバスも見えてきた。
怖いクレバス!!
クレバスとまでもいかないまでも、縦横に氷の裂け目も見え隠れしている。
一歩間違えば、怖い氷原になるのだ。自然が作ったものだ。

着いた!!

少し平たくて広い氷原に雪上車は停まった。
いよいよ氷河の上に降り立つのだ。


バスの出口では、飛行機のタラップのような小型版の階段をグイーンと降ろしていた。
タイヤがダンプのタイヤのようだから、車体がかなり高いところにある。
その小型タラップは必需品で、バスの中に組み込まれていたのだった。

タラップを降りて、氷の上に降り立った。滑らないように慎重に、慎重に。

月面に降り立った宇宙飛行士になった感覚だった。
そしてゆっくりゆっくり歩いていった。
氷の上だけど、スケートリンクのようなツルツルではなく、ゴツゴツしていてところどころに融けた水たまりもあった。
歩きにくかった。

ここでは15分だけの自由時間だ。
「15分だけですからあまり遠くに行かないでくださいね。それとクレバスには十分気をつけてくださいね。過去にははまって亡くなった人もいます。いったん落ちてしまったら、助けられません」
と。
『うんうん、十分わかっていますよ。遠くには行きません。滑ったら怖いもの』
小心者の私は恐る恐る歩いた。