詩集 『サナギ』
「おもちゃのファンファーレ」
悲しい記憶を おもちゃ箱に詰め
白い並木通りで 出会った幼子と
唄え 唄え 終わらぬ悲しみを
鳴らせ 鳴らせ 茶色いギターを
おもちゃのファンファーレ
楽しい恋愛を おもちゃ箱に詰め
ピンクの言葉を 無心で千切って
唄え 唄え 終わりある愛を
鳴らせ 鳴らせ トレブリーな音で
おもちゃのファンファーレ
他人を信じることすら忘れてた
何もかも失った後の祭り
いつか見たあの白い月も泣いていた
ずっと隣にいた幼子は笑う
唄え 唄え 終わらぬ悲しみを
鳴らせ 鳴らせ いつか終わる命を
唄え 唄え 終わりある愛を
おもちゃのファンファーレ