詩集 『サナギ』
「パンダ」
光の中に闇がある 僕の影だってそう
ふたつあってひとつ それ以上でも以下でもない
醜い本音を見つけて 闇に隠して
知らないふりをしてた だけど浮き彫りなった
何に悩んでいるの?
何に怯えているの?
形あるものを失くす それが怖いんだ
白い心の中を 黒く染めたよ
本音も何も見えなくなった
少し楽になった
薄っすら輝いた 確かな孤独が唯一の明かり
期待する事をやめてしまえば 傷つくことはない
心の前に出来た とても高く厚い壁
何も見えない闇の中 両耳を塞いで
現実世界を壊して 本当の独りになった
何が正義なんだよ?
何が僕らしさなの?
信じたくないことばっか でも見つめてみよう
黒い心の中を 白く染めたよ
自分の弱さが 浮き彫りになる
向き合って抱き合うよ 隠した醜さと
光も闇も全て僕だった それを知ったよ
白い心の中を 黒く染めたよ
染まりきらずに まばらになった
白黒白で塗られた パンダのような
孤独を抱いて キスをするよ
震えなくていいよ
醜くたっていいよ
孤独の中で見つけた君
君の中で見つけた僕