詩集 『サナギ』
「砂漠」
誰も知らない妖精に会えたら
僕の何かが 変わる気がしたんだ
安心を求める 弱い心捨てて
足を踏み入れていく 暗い砂漠へ
水もなければ 安心など どこにもない
吹き荒れる 砂嵐に皮膚切られ
溢れだすの血を 手で汲み取って
ためらいなく呑み込み 強くなる
月明かりもない 暗い闇 奥底
不安は全身を 蝕んでいく
出逢えるのかな妖精に
捨て切れるかなこの心
弱い心 捨てたつもりでいたけど
耳元でささやく 甘い声
耳を塞いでで闇に 迷子になってよ
そしたら恐怖さえも 道になる