詩集 『サナギ』
「雨降り少女」
雨降り少女が笑う午後
黒い空に亀裂が入る
冷たい雨に濡れたズボン
天照で乾いていく
傷ついた心も
燃え尽きそうな命も
抱きしめていく
雨降りザーザー
雨雲が君を呼ぶよ
窪んだ地面に溜まる
僕らの愛
見つめた黒い霧の向こう
白い世界が見えた気がした
気(け)だるい体持ち上げて
湿った時を駆け抜けるんだ
稲妻で切り裂いて
虹で眩い瞳を
切り開いて行け
雨降りザーザー
雨雲が君を呼ぶよ
窪んだ地面に溜まった
僕らの物語(ストーリー
雨降りザーザー
流れ出す僕らの物語(ストーリー
過ぎ去っていった過ちは
振り返らずに
雨降りザーザー
雨雲が僕らを呼ぶよ
いきつく場所が
何処であろうと進み続ける