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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「でも星ってこう…とげとげ…」
緊那羅が指でお絵かきでおなじみの☆を中に描く
「本当の星って丸いんだよ」
南が指で丸を描いて言った
「俺等が今住んでるコノ地球だって星で丸いんだぞ」
京助が地面を数回踏んで言う
「丸いのに何で平らなんだっちゃ?」
緊那羅が京助に聞いた
「あ~………」
京助が【あ】を伸ばして緊那羅から目をそらす
「何で丸いのに落ちないんだっちゃ?」
今度は南に緊那羅が聞いた
「…えっとねぇ~……;」
南が中島を見た
「…地球だから」
中島が答えた
「そう! 地球だから!!」
南がパンッと手を叩いて言う
「そうだ!! 地球だから平らだし落ちないんだ!! わかったか? わかっとけ!!」
京助が緊那羅の両肩を叩きながら言った
「そう…なんだっちゃ?;」
緊那羅が小さく聞き返すと揃った爽やかな笑顔が返ってきた

「あれが金星だろ?」
教科書を懐中電灯で照らした中島が周りの星より多少明るい星を見上げた
「…わからん; みんな一緒に見える…」
望遠鏡を覗き込んでいた京助が言う
「だっめじゃーん;」
南が突っ込んだ
「起きないナァ…メガネ」
一向に起きる気配のない坂田にちょっかいをかけるのも飽きてきたのか阿修羅がため息をついて立ち上がった
「ふぅ…お? アレ天の川だろ」
阿修羅が指差した先には細かい星でまるで川のように見えるミルキーウェイ
「北海道の七夕って八月だしねぇ…まだ見えるんだ」
南が天の川を見上げた
「織姫と彦星ってさぁ七月に本州で会って北海道にくりゃもう一回会えるじゃん」
京助が言う
「そうはいかないんじゃないか?;」
中島が突っ込む
「本当はどっちが本当の七夕なんだろうねぇ;」
南が言った
「七夕は七月七日だ」
阿修羅が歩み寄りながら答えた
「そもそも五節句の一個なんだわ七夕。そもそも技芸の上達を願う中国の祭りだったんだけどな~…いつの間に短冊ってなったんだか」
「ほぉ~…」
阿修羅が言うと一同がゆっくりと頷いた
「…あの川…広いんだっちゃ?」
緊那羅が天の川を指差して言う
「広い広い! なんつったってお前…あの星ひとつがこの!! 地球と同じような大きさなんだぞ?」
京助が【この】の部分で地面を足で強く踏んだ
「え…じゃ…あ……」
緊那羅が夜空を見上げて止まった