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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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リーリーという虫の声とざわざわという木々が風邪に揺すられる音
「寝るな;」
そしてスパンという軽快な音と京助の声
「眠気スッキリガム役に立ってねぇし;」
悠助から借りたらしきピーポーくんの描かれた可愛らしいビニールシートの上にメガネのずれた坂田が寝息を立てていた
「ガム噛みながら寝てるねぇ;」
南がかすかに動いている坂田の頬を突付きながら言う
「まだ来てから30分もたってねぇじゃん…;ってかまだ9時半だぞ?;」
京助が腕にしていたリストバンド型の時計を見て言った
「うら!! 起きろメガネ~!!」
阿修羅が坂田の上に乗って坂田の頬を引っ張る
「うへぇにょ~…」
坂田がわけのわからない言葉を発しながら阿修羅の手を振り払う
「あっはっは!! おんもろ~!!!」
阿修羅が笑いながらさらに坂田の頬を引っ張り始めた
「何しに来たんだかわからないっちゃね;」
緊那羅が苦笑いで言う
「サクサクセッテイング完了!!」
中島の声に振り向くとソコには望遠鏡

「すげー!!」
京助が望遠鏡を撫でて言う
「買ったのいいけど父さん家にいねぇから埃かぶってたんだよなぁ…ちょい型古いけど」
中島がレンズをシャツで拭きながら言った
「うわー! すげー!! 見える見える!!」
覗き込んだ南が声を上げた
「何が見えるんだっちゃ?」
南の後ろから緊那羅が聞く
「星」
南が望遠鏡をのぞいたまま答えた
「星…なら見えてるっちゃ」
緊那羅が夜空を見上げて言う
「おっきく見えるんだよ見てみる?」
南が望遠鏡を指差して緊那羅に手招きした
「おっきく…?」
緊那羅がおそるおそる望遠鏡を覗き込む

「え…えええ!?; え!?;」
覗き込んだ緊那羅が【え】を連呼しながら夜空と望遠鏡を交互に見はじめた
「な…えええ!?;」
「落ち着け;」
【え】しかまともに言ってなかった緊那羅に京助がチョップをかます
「だって!!!;」
緊那羅が頭を抑えながら京助を見た
「コレは遠くのものをよく見えるようにするモン」
中島が望遠鏡に手を置いて言う
「筒の向こうに丸い玉があったっちゃ…」
緊那羅が望遠鏡の反対側に回った
「それが星」
京助が夜空を指差すと緊那羅が夜空を見上げた