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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「おやつはさんびゃくえーん」
坂田が右手の指を三本立てて言った
「バナナはおやつにはいりませーん」
南が青い鞄を手にとって言う
「ゴミは持ち帰りましょう」
中島が長方形の箱を肩に担いだ
「午前二時じゃないですが始めようか天体観測ッ!!」
京助が肩掛け鞄を肩にかけて玄関の戸をあけた
「何だ? どっかに移動するのか?」
頭の後ろで手を組んだ阿修羅が聞く
「そー黒岩尻農道の方にな」
坂田がサンダルの踵のねじれた部分を指で直しながら答えた
「あそこ本当街頭がなくて真っ暗でよく見えるんだわ星」
先に玄関から出ていた京助が言う
「こっからでもまぁまぁ綺麗に見えるんだけど…どうせならねぇ?」
南が笑いながら言った
「夏休みなんだし」
坂田が頷きながら言う
「せっかくだし…なぁ?」
京助が笑う
「楽しくやりたいじゃん? 宿題でも何でも」
中島も笑って言った
「ほっほー…それにはオライも賛成だ」
阿修羅が親指を立てて笑う

「今度は僕も連れてってねッ!!」
遅くなったら絶対寝るからということで今回は留守番になった悠助が縁側から叫んだ
「10時過ぎても起きてられるようになったらな」
京助が言う
「俺は眠気スッキリガム持ったから大丈夫さ」
夜に弱い坂田がキシリトール配合のガムを高らかに掲げて言った
「おこちゃまめ」
京助が坂田の頭を撫でながら言う
「そもそも人間は夜寝るものなんだ!! そう! 俺は決して間違っていない!!!」
坂田が力説する
「ラムちゃーん! 行くよ~!!」
南が緊那羅を呼ぶと縁側の方から緊那羅が駆けてきた
「うっし! じゃレッツラ!!」
中島が指を立ててそれから石段の方を指差す
「いってらっしゃーい」
悠助と慧喜が手を振って見送った

【涼しくなったら宿題再開】
その宣言を自主的に守ってなのか3馬鹿と京助は理科の宿題として出されていた星の観察をすべく星がよく見えるという街頭のない【黒岩尻農道】まで菓子を持って向かう事にした
「お盆過ぎると一気に秋になったよねぇ…夏休みも短いけど夏も短いねぇ…もうススキでてら」
南が道端に生えてきていたススキを一本手にとって言った
「そうだよなぁ…しんみり」
京助が両手で胸を押さえてセンチメンタルに呟く
「また寒くなるんだっちゃ?;」
寒さが大の苦手な緊那羅が聞く
「北海道のチャームポイントのひとつが【寒さ】だからな」
坂田が言う
「うえぇ~…;」
緊那羅が本当に嫌そうな顔で声を出した