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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「坂田醤油とって」
京助が箸を持ったまま手を差し出した
「ういよ」
坂田が傍にあった醤油注しを京助に手渡す
「京助醤油たれてるっちゃ;」
緊那羅が布巾を差し出す
「にてもラムちゃんすごいねぇ…」
南が端をくわえたままテーブルに並べられた晩御飯のメニューを見て言った
「母さんに相当しこまれたしなお前」
京助がサンマを白米に乗せて口に運んだ
「いつでも嫁げるな」
坂田が肉巻き牛蒡を箸でつまんで言う
「とつ…って私はッ!!;」
緊那羅が声を上げると茶の間の戸がスパーンと景気よく開いた
「中島柚汰! 只今帰還-------------!!!!」
長方形の箱を傍に立てかけて中島がグリコのポーズで帰還宣言をする
「もいっちょオライも只今な~」
その中島の後ろから阿修羅も顔を出した
「お~!! なんだか美味そうなモン並んでんな~」
テーブルに近づくと阿修羅がトマトをひょいとつまんだ
「ここに乾闥婆がいたら間違いなくチョップだっちゃ…」
緊那羅がボソッと言う

「あら~今日はサンマなのね~いい匂いだわ~」
玄関の方から母ハルミの声が聞こえた
「僕ねトマトの皮剥いたんだよハルミママ~」
カランとサンダルを脱いだ音が聞こえてキシキシと廊下のきしむ音が近づいてくる
「偉いわねぇ悠ちゃん」
悠助を褒めながら巫女意衣姿のままの母ハルミと悠助そして慧喜が茶の間に入ってきた
「おかえり」
「おかえりなさいハルミさんッ」
京助が箸を振って言うと坂田が少し上ずった声で同じく言う
「ただいま。緊ちゃんありがとうね本当助かるわ~」
膝を折ってテーブルについた母ハルミが白米を盛っている緊那羅に言った
「私はコレくらいしかできないし;」
悠助に茶碗を渡しながら緊那羅が少し照れて言う
「竜のカミさんやってただけのことあるわなぁ…うんうん」
阿修羅が小さく言いながらレタスの味噌汁をズズッと啜った

今栄野家の晩御飯の支度は母ハルミによって家事全般をいいだけ仕込まれた緊那羅が請け負っている
「緊那羅…美味いわ」
阿修羅が【オカワリ】の合図なのかカラになった茶碗を緊那羅に差し出した
「ありがとだっちゃ」
緊那羅が嬉しそうに阿修羅から茶碗を受け取る
「僕緊ちゃんの作るカレー好き~!!」
慧喜にサンマの骨を取ってもらっていた悠助が言った
「俺は肉じゃが」
慧喜が悠助の口にサンマの身を運びながら言う
「…料理上手は愛情上手…いいねぇ」
南が最後の米粒を箸でつまんで口に運びながらしみじみと言った
「栄野兄弟はいい嫁さんもらったなァ」
坂田が箸を置きながら言う
「私は男だっちゃ;」
緊那羅が箸を軽くかじりながらジト目で坂田を見た
「俺は悠助の嫁だもん」
慧喜が悠助に抱きつく
「沢山家族がいて嬉しいわ~」
母ハルミが嬉しそうに笑って漬物をかじった