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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「んだよソレ…」
中島がぼそっと言う
「そんなん生きてるっていえんのか?」
京助が言った
「自分の人生自分のために生きてなんぼだろがよ? 好きに生きてなんぼじゃん」
阿修羅が京助を見てややしばらく止まった後顔をほころばせる
「やぁ…やっぱ竜のボンだわ…」
阿修羅が言った
「そんなトコ竜ソックリだぞ竜のボン」
ニッと笑った阿修羅が京助の頭をぐりぐり撫で回す
「何者にも何事にも自分の意志を通す頑固モン…でも何故か憎めなくてのん」
チリンと軽く風鈴が鳴って涼しい風が和室に流れ込んできた
「へぇ~…京助は性格親父さん似なんだ」
南が撫でられ髪がもっさりとなった京助を見て言う
「…そうなのか?」
京助がボソっと阿修羅に聞いた
「言っただろが? お前ともう一人のボンを足したらソレが竜だって」
阿修羅が笑いながら答えると京助の顔が微かに笑顔になる
「ちゃんと継いでるんよ…お前らは」
阿修羅が笑った
「竜の周りには不思議な空気があったんよ…居心地がいい…何かを惹きつけるそんな空気がお前らにもあるぞ」
阿修羅が言うと3馬鹿が揃って京助を見る
「…お前らが言いたい事は手に取るようにわかる…あえて言いますか?」
京助が3馬鹿に聞いた
「類は友を呼ぶ」
3馬鹿が京助を指差してハモって言う
「…言いましたか…」
京助がヘッと口の端をあげて言った
「アッハッハ!! いや~…おんもしろいわ…」
阿修羅が京助の背中をバシバシ叩きながら笑う
「イテェっつーの!!;」
京助が怒鳴る
「何騒いでるんだっちゃ;」
カキ氷屋さんの後片付けをしていた緊那羅が和室に入ってくるなり聞こえた京助の怒鳴り声が何に対してのものなのかを聞いた
「よ! 緊那羅ご苦労さん」
京助の首に腕をかけた阿修羅が緊那羅に向かって手を上げた
「ラムちゃんお疲れサマー」
南もひらひらと緊那羅に向かって手を振る
「あ…うん」
笑顔を返した緊那羅が南の隣に腰を下ろすと風鈴がまたチリンと軽く一回鳴った
チリリィー…ン…という風鈴の音が辺りの虫の声と混ざって誰もいない和室に響いた