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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「起きるっちゃ京助ッ!!!」
バサァっという音と緊那羅の声が響く朝七時
「ほらほらっ!! 遅刻するっちゃ!!」
緊那羅が京助の体をまたいで窓にかけられていたカーテンを全開にすると朝日が入り込んできた
「んぁ~…」
京助がうっすら目を開けて寝返りを打つとまた目を閉じる
「京助ッ!!」
「うごぁッ!!;」
緊那羅が敷布団を思い切り引っ張ると京助が転がり落ちた
「ハイ!! 起きた起きたッ!!」
戸口まで転がった京助の目に映るのは逆さまの世界の中でテキパキとさっきまで自分が寝ていた布団を片付けている緊那羅の姿
「…お前ここ数日何か吹っ切れたのかの様に元気だナァ;」
布団を片付け終わって近づいてきた緊那羅に京助が言った
「そうだっちゃ? ほら! 起きて起きて」
緊那羅が京助の手を引っ張って体を起こす
「ヘイヘイ…; っくふぁ~…ぁ」
起き上がった京助が大欠伸をした
「…あのね京助」
緊那羅が部屋を出ようとした京助に声をかけた
「う?」
ポリポリと腹を掻きながら京助が眠気たっぷりの顔を緊那羅に向ける
「守るから」
緊那羅が朝日の逆光の中満面の笑顔で言った
「私は京助を守るっちゃ」
もう一度 緊那羅が言う
「…ぁ?;」
寝起きに唐突に言われた京助が間を開けて声を出した
「ご飯盛っておくっちゃ」
緊那羅が京助の横を通って廊下に出た
「あ…あぁ?;」
京助が廊下を見て返事をすると緊那羅が笑顔で振り返った
「目玉焼きは半熟だっちゃ」
緊那羅が言いながら笑った
「…ヘンなヤツ;」
京助が呟いた

「あ!京助がおきてきてる~」
悠! が醤油に手を伸ばしながら茶の間に入ってきた京助を見て言った
「何だよ;」
席に着きながら京助が悠助を見て言う
「義兄様最近早く起きてるよね」
慧喜が麦茶を悠助のコップに注ぎながら言った
「コレが世間一般の朝なのよねぇ…」
母ハルミが頷きながら茶碗を手に取る
「ハイ京助」
緊那羅が京助の茶碗を差し出した
「さんきゅ~…ったまー」
茶碗を受け取った京助が【いただきます】を簡略して言うと箸を持った
「緊ちゃんは最近すごく元気だし…いいわねぇ」
母ハルミがにっこり笑って緊那羅を見る
「そう…だっちゃ?」
味噌汁茶碗をもった緊那羅が母ハルミを見た
「すごくイキイキしてるわよ?」
母ハルミが笑う
「何かいいことあったの?」
悠助が緊那羅に聞いた
「…いい…ことだっちゃ?」
緊那羅が呟きながら京助を見る
「…なんだよ;」
朝日に納豆の糸を輝かせながら納豆をかき混ぜていた京助が緊那羅の視線に顔を上げた
「何でもないっちゃ」
緊那羅が笑うと漬物を箸でつまんだ