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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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「ラムちゃん…俺が前に慧喜っちゃんに話してた話…覚えてる?」
南が緊那羅を見て聞いた
「え…?」
緊那羅がきょとんとして声を出した
「俺が昔…友達が居なかったって話」
南が笑いながら言う
「ずっと…欲しかったんだよね…だから流れ星に願ったんだよ」
腰に手を当てた南が夜空を見上げた
「友達が欲しいってね」
夜空を見上げたまま南が言う
「南…」
緊那羅が小さく南の名前を言うと南が緊那羅を見て笑った
「そしたらばこんなに素敵にお馬鹿なお仲間が!!」
南が京助達を指差して言う
「誰が馬鹿じゃ」
聞こえた坂田が南に体当たりしてきた
「き・み・ら」
南も負けじと坂田に体当たりをし返す
「オイ; 今複数形だったろ;」
中島が言う
「そうそう! 君等って」
南がハッハと笑った
「…俺も?」
京助が自分を指差して聞くと南が爽やかに親指を立てた
「そして何を隠そう君等もなのだよ!」
そして南が今度は緊那羅と阿修羅を振り返った
「わ…」
「オライもけ?」
緊那羅と阿修羅が同時に言う
「そう!! 同じ馬鹿ってことでお仲間」
南がウインクついでに舌を出して親指を立てた
「いや~…ありがたいね」
ぽかんとしている緊那羅をよそに阿修羅が嬉しそうに笑った

「てことで!! …気を取り直して宿題といきますか~…」
中島がまだ何も記入されていないノートを手に取った
「うへぇ~;」
京助が本当に嫌そうに声を出した
「お~! エライエライ!!」
阿修羅が坂田と京助の頭を撫でる
「うわぁい褒められたァ~…」
坂田がやる気なさそうに万歳をした
「はぁ~あ…っと」
京助が溜息をついて望遠鏡に歩み寄る
「じゃ…ハジメマァス」
望遠鏡を覗き込んだ京助が言った
「ラムちゃん上ばっかり見てたら首疲れるからソコに寝ながら見てるといいと思うよ」
南がソコと指差したところにはさっきまで坂田が寝ていたビニールシート
「ありがとさんちっこいの」
阿修羅)がひらひらと手を振ると南も手を振り返して望遠鏡の近くに駆けていった