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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・伍】天体観測っぽく

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その声で起こされた坂田が怒鳴った
「今まで寝てたやつに言われたくないですわん」
その坂田の頭に南が蹴りをかます
「や~! はよさんメガネ」
阿修羅がしゃがんで片手を挙げ坂田に言った
「…なんで俺外で寝てんだ?」
シャツの中に手を入れてポリポリと胸の辺りを掻きながら辺りを見渡して坂田が言う
「しっかり起きろ」
京助が南と中島に抱きしめられたまま坂田を蹴った
「蹴るな!!;」
蹴られた後頭部を押さえて坂田が怒鳴ると口から噛んでいた眠気スッキリガムが飛び出した
「汚ッ!!;」
京助に抱きついたままの中島と南が絶妙な息を合わせてソレを避けると阿修羅と緊那羅もつられたかのように坂田から離れる
「ふぁ~…ぁ…っつく」
坂田があくびをした後伸びをして立ち上がった
「…あ~そっか天体観測」
伸びをしながら目を向けた先にあった望遠鏡を見た坂田が言う
「やっと思い出したか馬鹿め;」
京助から放れながら中島が言った
「開始直後から素敵な寝息立ててましたよ」
南がハッハと笑いながら言う
「いや~…どうもアレでしてねぇ」
坂田がヤレヤレポーズでため息を吐いた

「不安か」
自分の手を握り締めたまま3馬鹿と京助の漫才的やり取りを見ていた緊那羅に阿修羅が声をかけた
「今は触れてもいつかは手が届かなくなるかもしれないからの」
阿修羅が言う
「竜のボンだけじゃなくもしかしたらオライにも」
阿修羅が言うと緊那羅が顔を上げて阿修羅を見た
「今のうちに触っておきゃいいさ」
眉を下げた顔で阿修羅を見上げていた緊那羅の頭を撫でる
「後悔しない様…忘れない様…いつかは…届かなくなるんやしな」
緊那羅が自分の手を握り締めた
「届かなくするのは…お前かもしれないんだからな…」
阿修羅が言うと緊那羅が小さく頷く
「乾闥婆から聞いただろ…お前の役目」
阿修羅が聞くと緊那羅がまた頷いた
「でも…私は…ッ…」
握った緊那羅の手が小さく震えた
「…オライは何も手出しはできんしな…スマンけど」
緊那羅の頭を阿修羅が撫でる