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キツネ目をつかまえろ

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「雪だるまというたとえは不適切です。雪だるまって、たいていは白くないじゃないですか。初雪とか、粉雪と云えばいいと思います」
どうしたことか、雪奈の身長は早川より二十センチも低い。幸洋だったときは早川と同じくらいだった。
そんな靴があるのだろうか。
「学さんはそのものズバリですね。勉強家という感じです」
「見かけ倒しです。実際はまるで反対でした」
「そうかしら。でも、努力家なのよね。それは間違いないと思います」
「雪奈さんも、宝塚で頑張ってきたんですね。辛いこともたくさんあったでしょう」
早川の腕に、雪奈がしがみついてきた。彼女を抱きしめたいと、早川は思った。
「こんなところで寝ていていいの?」
雪奈はそんなことを云った。
「起きてます。寝ていません」
「お酒のにおいね、そんなに飲んで、何かあったの?」
「何もありません。なんでもありませ……」
早川が目を開けると、彼の腕を掴んだまま、女の顔が見下ろしている。早川はタオルケットをかけられてソファーで横になっていた。
「えっ?幸洋じゃないの?誰なの?!あなたは!」