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カナダの自然に魅せられて ~憧れのカナディアンロッキー~(1

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興奮しながら窓の外をずっと眺めていた。
しかし、それからは何も見えなかった…。
動物の姿は見えなかった…。

そうこうしている内に列車が停まった。外は薄明るくて、早朝だからか流石に寒かった。3000メートル級の山々が連なる山間部の夜明けだ。真夏と言えども寒いのは当たり前か…。

時計は朝の6時を知らせていた。
停まったのは駅のようだけど、駅名を書いた看板もホームも何にも見えない。でも、ガイドブックに書いてあった時間からして、きっとカムループスに着いたのだ。ロッキー山脈のど真ん中にある町だ。

「降りれるらしいから、降りてみようか?」
と、姉が言ったが、寝不足で体がだるい私は、
「しんどいから、寝とくわ」
と答えてしばらく眠った。

列車は長く停車していた。帰ってきた姉と美月は、
「外は冷たくて気持ちよかったよ。まだ大丈夫やから行ってみたら」
「先頭の方へ行ったら給油してるところが見えるよ」
乗客の乗り降りだけに停まっているのかと思ったら、給油のために停車していたらしい。

冒険心旺盛な姉と美月は列車の中も探検してきて報告してくれた。
私はお尻に根が生えたみたいに動けない…。
「ずーっと後ろに食堂車があったよ。おもしろそうやった」
「朝食は3種類の定食があって、値段は12ドル。中身は…」

ちゃんと調べてきている、さすがお姉ちゃん!
「いい経験になるから食堂車で食べてみてもいいよね、そんなに高くないしね」
話はまとまった。でも、今はお腹すいてないから、もうちょっと後にしよう…。


しばらくして、列車は再び動き出した。ゆっくりと。
今度は山岳地帯ではなく、丘陵地帯。牧場、農家、丸めた牧草…などが見えてきた。
広く続く高原に、1台、車がライトをつけ、砂煙を上げて走っていた。
こんなに広い農場に、走ってる車はたった1台。西部劇が頭に浮かんだ。

列車は走ってる途中、時々車内アナウンスがある。
大きな滝、湖を通るときは、ゆっくり走ってくれる。サービス満点!
しかし、なんて言ってるのかは……わからない^^;
豊かな水を湛えて流れる川。
針葉樹の鋭角に尖った樹。背の高いものもあれば、その間に細くて小さい樹が見える。
その様子からして、関西で、日頃見る川や山々や木々の様子とは全く違う。
あ~、外国に来たんだと改めて感じさせる。