ある飛行機の生涯
次の日からさっそく、ぼくの仕事が始まった。仕事はもちろん、
今積んでいる爆弾を敵に向けて落としてくることだった……。気が
向かない仕事だけど、仕方が無かった。パイロットに逆らうことは
できないのだ。
他の2機の飛行機さんとともに、空に向かって飛んだ。離陸する
のは久しぶりだったので、うまくできるか不安だったが、なんとか
うまくできた。
上空には、プロペラ式の戦闘機さんたちが待機していた。彼らは
ぼくたち爆撃機の護衛だった。気になったのは、旧式のプロペラ機
だったことだ。今は21世紀のはずなのにだ……。
それは後で聞くことにして、ぼくたちは目標地点に向かった。
ぼくは、久しぶりの大空を満足気に飛んでいた。他の2気も嬉し
そうな様子だ。ただ、人ではなく、爆弾を乗せているのは悲しかっ
た……。
プロペラ式の戦闘機さんたちは飛ぶのが遅く、パイロットさんは
何度もスピードを緩めたり、速くしたりを繰り返していた。。どう
やら、大きなジェット機を操縦するのは初めてらしい。
そして、ぼくたちは目標地点に着いた。そこは、都市だった。空
襲警報が鳴り響いているのが聞こえてくる。そのときぼくは、敵の
司令部をピンポイント爆撃をするのだと思っていた……。
ぼくは嫌々ハッチを開けた……。ハッチの筒の中には、爆弾がぎ
っしりと詰まっていた……。これから、この爆弾を投下するのだ。
ぼくは誤爆がありませんようにと祈っていた……。
パイロットさんは、テレビ画面の中をのぞきながら、爆弾のスイ
ッチを押した。
ヒュー−−!!!
爆弾が投下された……。爆弾が次々とハッチから下の都市へと落
下していった。
ドドドドドドドドドド!!!!!!
とてつもない爆音が下から鳴り響いた。今まで聞いたことがない
ほど大きな音だった。