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　早川は彼女の姿を見送ってから、車に戻った。バッグから携帯電話を取り出し、彼は麗奈の番号を確認した。眼を上げると、まだ彼女は早川の方を見ていた。途方に暮れたような表情で彼女は手を振り、会釈してから長く艶やかな髪をなびかせ、硝子扉の中に吸い込まれて行った。
早川の胸の奥には確かに疼くものがあった。しかし、もう二度と逢うことができないかも知れないと、理由もなく思った。