短い恋
最近手に入れたばかりのバイクに乗り、早川は明るいうちに日帰り温泉から帰宅した。彼は湯を沸かしてカップラーメンに注いだ。パソコンが立ち上がると、ポニーさんからのミニメールが届いていることが判った。
「コクトーさん。お仕事、無理をしないよう、気をつけてください。
バイクの調子はいかがですか?
この前提案されたオフ会のお話ですが、わたしはやっぱり行けません。
恐らく、わたしがコクトーさんの前に現れることはありません。
わたしは男性恐怖症のまま老いて行くことになりますが、車とバイクが私の永遠の恋人です。
そして、音楽と自然が親友です。
全然寂しくはないのです。
コクトーさんも、寂しさに負けないで、頑張ってください」
早川はカップ麺の発砲スチロールの容器をテーブルに置いてから、キーボードに手を伸ばした。