短い恋
その次はビンゴゲームが始まった。勝者には缶入りの硬式テニスボールが贈られるという。決着がつくまでには長い時間を要した。
ビンゴゲームがやっと終了したとき、早川はビールを呑みながら上空を見上げた。漆黒の空間には、先程よりも更にびっしりと、数知れない星々が瞬いていた。
「学さん。呑み過ぎてない?」
「まだ三本だよ。あっ、温泉のを足すと四本かな?だってすることないしね」
間もなくじゃんけん大会が始まった。最後に勝った一人には、最新モデルのテニスラケットが授与されるらしい。
「あの新しいラケット、欲しいと思ってたんだぁ。暇だし、こっちでもじゃんけんする?」
「来年までに考えておくわ」
「来年かぁ、でも四箇月ちょっとだからね。すぐだな」
「あっ!流れ星」
麗奈がそう叫んだとき、その日が徹夜明けの早川は、眠りに引き込まれそうになっていた。流星を見たあと、急速に意識が薄れて行った。