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短い恋

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悪夢の夜



 夕食のあとは早川も食器洗いを手伝った。麗奈はこのサークルでも人気があり、主に男のメンバーから頻繁に声を掛けられていた。早川が怜麗奈と親しく話をしていると、見知らぬ男たちからは、批判的な視線を浴びることになった。
 広場の中央に、井桁に高く薪を積み上げ始めた。早川はその作業を手伝ったが、早川に対する冷たい対応は、続いていた。
「あんたねえ、男だったらそんな風にちまちま運んでないで、どっさり持てるだけ持って運びなさいよ」
 トップスピンのリーダーだった。腹の出た、はげ頭の中年男だった。その男が麗奈に熱をあげているという噂は早川が属しているストロークの中でも、時折噂されていた。有名な高級中華料理店のオーナーで、スーパーカーを乗り回しているという独身男だった。
やがて花火と共に槇に点火され、歓声と共にキャンプファイアーが始まった。パチパチと爆ぜる音と共に、紅い火の粉が漆黒の夜空に吸い込まれて行く。それを凝視めながら全員揃って乾杯した。
作品名:短い恋 作家名:マナーモード