短い恋
麗奈との交際を想像すると、それはサラ金に似たものが考えられる。愉しいのは最初だけで、やがて憂鬱なものに変わって行く。つまり、利息を払わされるだけの日々でしかなくなって行く。その後は、そういうところには行ったことがないのだが、キャバクラの女のイメージ。飽きてしまえばさっさとほかの男の方へ行ってしまう。一人の男に尽くすような、そんな、けなげな女性を想定したいのだが。
どのくらい経ったのかは判らない。闇の中で携帯電話が着信し、そのために早川は叩き起こされることになった。
「まだ起きてました?起こしちゃったのなら、ごめんなさいね」
「もしもし、ああ、麗奈さん。あの、今ね、電話しようと思っていたのですよ。だから、グッドタイミングでした」
「こんな時間にごめんなさいね。おやすみだったのね。失礼しました。じゃあ、また明日電話しますね」
「あっ、それはダメ。明日は仕事だし、明日の今頃はちょうど書き入れ時なんですよ」
「じゃあ、明日は声を聞けないんですか」
麗奈は色っぽくため息をついた。布団の中で下着だけの早川の身体は、途端に反応してしまった。彼女の「あなたと一緒に寝たいの……」ということばが蘇った。
「麗奈さん」
「え?何ですか」
「……今、どんな格好?」