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奪われた過去
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「じゃあ、多分二時間後に、再会しましょうね」
「三時間後、かも知れませんよ」
「そうかも知れませんね。怪我をしないように、気をつけて下りてくださいね」
「照明器具は持ってますか?」
「懐中電灯があります」
「じゃあ、再会を愉しみにしていますよ」
「はい。わたしも」
佐井ゆかりは林道を戻って行った。それを見送っていると、緒方は走ってあとを追いたくなった。せっかく彼女と逢えたというのに、何をやっているんだと、彼は自らを責めた。
作品名:
奪われた過去
作家名:
マナーモード