カナダの自然に魅せられて~リスを探して10日間(2)
お部屋の中を感心しながら眺めていると、台所から女の子がチョコチョコと歩いてきた。
歩き始めてまだ間もないような1歳くらいの女の子だった。
ああ、この子がこの家のアイドル、初孫のクロエちゃんね。
クロエちゃんは色が白くて、瞳はブルー、クリクリの目とブロンドの柔らかい髪の女の子。
白い肌にピンクのワンピースがよく似合っていた。
初対面の日本人にも全然人見知りせず、ニコニコしながらやってきた。
「こんにちは。」
「お名前は?」
まだ喋れない。もちろん日本語は通じない。
それでも、おいでと両手を前に出すと、スーと手の中に入ってきてくれた。可愛いい!!
ソファに座ってクロエちゃんと遊んでいると、奥さんが小さいシュウマイくらいの大きさのパイをお皿に盛って持ってきてくれた。
お昼ごはんは、コーヒーとマフィン1個だったから、もうお腹がペコペコ。
それに、そのパイはとっても美味しかった。遠慮せずにもう1個もう1個とたくさん頂いてしまった。
クロエちゃんも欲しそうにしていたが、まだ食べられないらしい。
クロエちゃんと歌を歌ったり、おもちゃで遊んだり…。
船長さんの奥さんは、クロエちゃんのおばあちゃんになるのだが、小さい子をあやすのがとっても上手だった。
褒めて褒めて、褒めちぎっていた。クロエちゃんも得意になって歌ったり踊ったりしていた。
小さい子はその場を和ませる魔術師のようだ。
お宅にお邪魔してまだそんなに時間が経っていないのに、私たちもすっかり寛がせてもらった。
クロエちゃんと遊んだり船長さんとお話している間に、テーブルのセッティングも整い、夕食の時間となった。
少し前に帰ってきた船長さんの長男さんも向こうの部屋から椅子を持ってきて人数分座れるように、テキパキと手伝っていた。
初めは、この長男さんがクロエちゃんのパパだと思っていると、そうではなく、次男さんがパパで、今日はアメリカに出張しているらしい。
夜遅くに帰ってくるので、空港まで迎えに行くということだ。
作品名:カナダの自然に魅せられて~リスを探して10日間(2) 作家名:ねむり姫