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カナダの自然に魅せられて~リスを探して10日間(2)

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10、いよいよスタンレーパークへ


スタンレーパークはダウンタウンの端に頭のようにくっついた半島で、イングリッシュ湾に突き出していて回り三方が海。
公園の中はほとんどが森林で、1日目に行ったクイーンエリザベスパークとは趣が違った公園だった。
ホテルからも、緑みどりした針葉樹林の樹海のように見えたところだった。

クイーンエリザベスパークにも、ホワイトロックにも、グランビルアイランドにもリスは現われなかった。
このスタンレーパークでこそ出会えるだろう。きっとあちこちチョロチョロと走っているだろう。

その姿を想像しながら、心ワクワク、バスを降りた。

降りてすぐに、昨日ホワイトロックで見たグースがのんびり歩いていた。
右を向いたかと思うと、一斉に首を左に向きを変えて歩く。あっちへウロウロ、こっちへウロウロと集団で歩いていた。

「スタンレーパークで何を見たい?」
「リスとトーテムポール!!」
「じゃ、バスに乗ろう」

まずはシャトルバスにのって、トーテムポール広場へ。8基のトーテムポールが立っていた。
ブリティッシュコロンビア州の先住民の村から移したり、復元したものらしい。

中でも、クワキウトル族のトーテムポールが印象的だった。
先住民の大きな家屋の屋根を支えたものらしいが、一番下に人間を抱えたグリズリーが、その頭の上には羽を広げたサンダーバードが彫られていた。

大きなグリズリーに抱えられた人間は、人間とは思えないほど細く小さく、逆に、グリズリーの顔もサンダーバードの顔も口や目が大きく象徴的だった。
色は原色を使い鮮やかだ。
サンダーバードの広げた羽には、羽の模様が細かく彫られ綺麗に色づけされていた。

たまたま、グランビルアイランドで買ったばかりのトーテムポールがこのクワキウトル族のものだったと分かったのは、家に帰ってからだった。
落ち着いてから、お土産を広げてみて気がついたのだ。
何か一つが印象に残ると、それが繋がっていくんだなあと、不思議に思った。

そして、このトーテムポールは、宗教的な偶像で崇拝されるものかと思っていたが、日本で言う家紋と同じようなものらしいということも分かった。
この広大なスタンレーパークも、元はここに住んでいた三つの先住民族が共存していたようだが、カナダ政府が借り受けて公園にしたということだ。


ここで私はどうしてもガマンできなくなって、トイレへ走った。
トイレはやっぱりドアの足元が短くなった居心地の悪いトイレだった。
ここで、トイレに行ったために、15分間隔で来るシャトルバスに乗れず、もう15分待つことになった。