白の悲劇
瞬時、鼻を突く臭い。
なんだろう、他にたとえようもない臭いだ。先程彼女に述べた理由ももちろんあるが、この臭いも飲めない理由のひとつだ。飲んでしまったときに鼻に抜けてくるその臭いはたまったものじゃない。さらに言えば、味も苦手分野だ。これを平気で飲めるやつの気が知れないとまで思ってしまうほどだ。
「う……すまん、まじ無理……。」
思わず封印媒体をトレーに落として、鼻をつまんでギブアップの態度を見せる。
「まだ蓋開けただけじゃない。あ、蓋はもらうからね。」
この臭いのついたものを集める彼女の気が、飲めるやつの比じゃないくらい知れない。蓋を拾い上げた彼女の笑顔の意味は究極的に分からない。
「ふっふっふ……仕方ないわ。最終兵器を出そうじゃないかしら。」
彼女は自分の陣地に戻り、何かを探し始める。
そひてまた俺の陣地にやってきた彼女は、俺に何かを見せつけた。
「これならどうよ!」
見せられたものの衝撃に、俺は目を見開く。
「そ……それは!」