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不思議な空間

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「大変ですね。ストレスたまりますね」
「それに比例して預金もたまってほしいわ。だけど、飛躍的に昇給する見込みはないし、
ただの女子事務員ぐらいの給料では、とてもじゃないけどこの先の人生設計が……」
 聖子がしんみりと云った。
「テレホンショッピングで対応が悪い担当者が出たらたとえその商品が良くても買いたくなくなりますよ」
 祥子だった。
「親切丁寧に暖かく、迅速で確実な対応を心がけていますよ」由紀が云った。
「基本に戻って新人のつもりで対応してみると、評判がよくなると思いますね」
「北さんって、ちゃんと考えてくれるのね」
 聖子は嬉しそうだ。
「私も仕事で電話アポ関係をやってたことがあるんです。何よりも丁寧な言葉遣いが大事ですね。常識的なマニュアルは必要だと思います。でも、気がついたら相手に不安や脅威を与える云い回しをしていた、というようなこともありましたね」
「祥子さんはお休みの日は、いつも絵を描いてるの?」
 由紀が訊いた。
作品名:不思議な空間 作家名:マナーモード