小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

不思議な空間

INDEX|12ページ/41ページ|

次のページ前のページ
 

「あっ!やっと思い出しました」祥子が驚きの声を挙げた。「そうそう。北さんでしたね。わたしを憶えてませんか?」
「えっ?……もしかしてタクシーに乗車して頂きました?」
「先週ですよ。歌舞伎町から川崎まで」
「……新宿は滅多に行きませんけど……」
「ほら、写真のカードが助手席の前にあるでしょ。あれを見ました。北さんね。間違いありません」
 乗務員証のことだった。北はもうすぐそれを更新するために、江東区の南砂町まで行かなければならない。
「北さん。こんな美女を忘れちゃ、いけません」
 佐島が笑いながら云った。
「お客様のお顔を拝見できない場合が多いんです」
 先週の深夜、西新宿のホテルまで、白金から酔ったカップルを乗せた。それを北は漸く思い出したが、新宿から乗車した客は記憶にない。
「……残念ですが、思い出せません」
「絵のお話をしたんですよ。忘れましたか?」
やはり、思い出せない。
「ほかの車ですね……」
「わたし、大師公園の近くに住んでます」
作品名:不思議な空間 作家名:マナーモード