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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・四】ドンブラスココ

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「…慧喜さん…悠助さん…何ですかソレは」
京助が夏の風物詩だけど海にあったら少し違和感が無いですか?というその物体を見て言う
「ヒマ子義姉様」
水着姿で慧喜がさらっと答えた
「…何コレ…なんでこんなところにヒマワリ…」
阿部がヒマ子に近づく
「気安くつかづかないでくださいませんこと!? 京様に集る小娘様!」
阿部がヒマ子に触ろうと手を伸ばすとヒマ子がくるっと振り向いて葉で阿部の手を叩いた
「……ケバイ」
ヒマ子を見た本間がぼそっと呟く
「……阿部?;」
動かない阿部の肩を京助が揺すった
「あ~…固まってる;」
南が阿部の顔を覗き込んで苦笑いで言う
「どこか涼しい場所で気がつくまで休ませておいてはどうですか?」
乾闥婆が言った
「…ワシは暑い…;」
迦楼羅が小さく言うとカモメがミョーと一声タイミングよく鳴いた

波の音とバシャバシャという音が聞こえ始めると感じたそよそよという小さな風で阿部がうっすら目を開けた
「悠助早くっ」
慧喜の声が聞こえる
「慧喜早いよぅ~!!」
そして悠助の声も聞こえた
一定の間隔で目に映るのはウチワらしき物体
「あ、気がついたっちゃ?」
ウチワが消えて見えたのは逆光を受けた緊那羅の顔
「ラム…ちゃん?」
ゆっくりを体を起こした阿部がまだはっきりしない頭を振った
「アタシ…」
「まったく…私を見て気を失うなんて失礼な…」
言いかけた阿部の言葉が多少怒りのこもった言葉で打ち消された
「そういえば緊那羅様も私を見て腰を抜かしてましたわね」
阿部の見ていた緊那羅の顔が引きつった笑いになる
「それは…;」
緊那羅が苦笑いを向けている方向へと阿部がゆっくり顔を向けた
「本当…失礼ですわ」
そして固まる
ソコにいたのは二箇所に赤い細長い布を巻いた真夏の妖精ヒマ子さん
「い…」
阿部の口元がだんだんと引きつってくる

「いやぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!」
「わッ!!;」
大きく悲鳴を上げて阿部が緊那羅に抱きついた
「あ…起きた」
浮き輪に乗って浮んでいた本間が岸を見てボソッと言う
「阿部さん; 阿部さん; 大丈夫だっちゃ;」
緊那羅が阿部の背中を叩いて言った
「だっ…だってヒマワリ…ひまっ…」
最高潮にパニクルっている阿部は口が上手く回らないらしくただヒマヒマ繰り返す
「落ち着いて; はい息すって~…大丈夫だっちゃ;」
そんな阿部の背中を撫でて緊那羅が言った
「本当…失礼な小娘様ですこと」
フンっと言ってヒマ子が顔を背けた
「なっ…何なの!? 何なのコノヒマワリ…ッ!!;」
ようやくだいぶ落ち着いたのか口の回るようになった阿部が緊那羅に聞く
「えっと…ヒマ子さん…だっちゃ;」
緊那羅が苦笑いで答えた
「じゃなく!! 何で!? 何でヒマワリに顔があるわけ!? しかもケバイ!」
阿部がヒマ子を指さして更に聞く
「えっと~…あ…京助;」
「京様!!!?」
「京助!!」