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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・四】ドンブラスココ

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「京助大丈夫なんだっちゃ?」
手で口をぬぐっていた京助に緊那羅が聞いた
「あ? あ~…別に平気」
二個目のスイカに手を伸ばそうとしながら京助が答えた
「惜しかったですわね京様…私の応援が届かなかったばっかりに…」
ヒマ子が鉢を引きずりながら京助に言う
「や…しっかりバッチリ届きましたので;」
京助がヒマ子から顔をそらして言うと緊那羅が苦笑いを浮かべた
「いっや~…夏だぁねぇ~…」
南が伸びをしてしみじみと言う
「短いけどな」
坂田が種を飛ばして言った
「終わりがあるから思いっきり楽しまなきゃねぇ…終わりがないものなんて楽しくないよねぇ」
南がうんうん頷きながら言う
「お!! 何だか南さんまじめ腐ったクッサイこと言いますね」
京助が南に突っ込んだ
「終わり…ね…」
三つ目のスイカを一口齧った矜羯羅がボソッと言う
「お前…ソレ何個目よ;」
中島が矜羯羅に言った

「何で俺がお前等の為にスイカバー買わなアカンねん!!;」
ガサガサと買い物袋を提げた京助が怒鳴った
「負けたからに決まってるっしょ」
そんな京助についてきた南がハッハと笑いながら少し後ろを歩く
「阿部ちゃんと本間ちゃんが帰った分浮いたんだからいいじゃんいいじゃん」
石浜海水浴を終え栄野家でひとっ風呂浴びた後買出しに出向いた南と京助がジワジワと鳴く蝉に後押しされて石段を登る
「ぁああ~…; 折角海行って涼しくなって風呂入ったのにまた汗でしっとりしてるしよ~…;」
京助が網戸になっていた玄関の引き戸を開けながら溜息をついた
「ただいま~ぁん…って…ヤケに静かじゃない?」
家の奥に向かって言った南が返ってこない返事に首をかしげつつもサンダルを脱ぎ家に上がる
「いくらなんでも全員で入るにはウチの風呂は狭いだろうしなぁ…」
京助も南に続いて家に上がった

チリリ~…ン

という涼しげな風鈴の音が家に響き渡る