小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

トワイライト・ゾンビー

INDEX|5ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 

 右手に握った棒が、ゾンビを打ち据えて行くが、避難所まで持つかというと、悲観的にならざるを得ない状況であった。
 アキラは右手を未明とつないでいながら、もう片方の手は地面につきそうな程身体を低くしていた。

 それは不思議でも無い。
 ゾンビ達は身体が堅いのか、立って移動するヤツらは低い位置を移動するアキラを捕まえられないでいる様だった。

「どうして外になんか出たの!」
 避難所まで半分ほど戻った辺りでやっと声が出た。
「――ママが――」
「帰ってこなかったのね?」
 ゾンビに右腕を掴まれた!
 だが、思いきり身体をよじると、ゾンビの腕は肘からブッツリとちぎれて落ちた。
「でも外になんか出ちゃダメじゃない!? 学校で習ったでしょ!」
 その時、アキラが急に倒れた。
 足が無く、這いつくばって移動するゾンビがアキラの足首を掴んだのだ。
 止まればいくら身体を低くしていてもやられてしまう。
 未明は棒切れをめちゃくちゃに振り回しながら、アキラのところまで戻る。

 間一髪、アキラのふくらはぎ辺りにゾンビがかぶりつく手前で、ゾンビの両手があみの一撃によって切断された。
「アキラくん、先に行って!」
 今度はアキラを先に行かせた。あの子一人なら逃げきれるかもしれない……。

 避難所の明かりに近づくと段々ゾンビの数は減ってきた。
 が、もう未明には棒を振り上げる力も、走る気力も無くなってきていた。
 足が止まった未明にゾンビが襲いかかる――。
 最後の力を振り絞って上げようとした腕をまだ活きのいいゾンビに掴まれた。